【名詞】《団体名｜国際基準機関｜Specialty Coffee Associationの略称》
スペシャルティコーヒーの品質基準、教育体系、産業倫理を国際的に整備・普及させるために設立された非営利団体。正式名称は Specialty Coffee Association（スペシャルティ・コーヒー・アソシエーション）。世界の生産国・消費国を横断するコーヒー業界の中核機関として、生産から消費までの全工程における品質と持続可能性の向上を目的とする。
■ 沿革
2017年、米国の「SCAA（Specialty Coffee Association of America）」と、ヨーロッパの「SCAE（Specialty Coffee Association of Europe）」が統合し、現在のSCAが発足。これにより、北米・欧州・アジア・中南米・アフリカにまたがるグローバルネットワークを形成するに至った。
■ 主な活動領域
| 分野 | 内容 |
|---|---|
| 品質基準の制定 | カッピングスコア表、Qグレード基準、焙煎・抽出に関する測定指標（Agtron値、TDS等） |
| 教育・認証制度 | 「Coffee Skills Program（CSP）」による国際認証講座の運営 |
| イベント主催 | World Barista Championship（WBC）、World Brewers Cup（WBrC）等 |
| サステナビリティ推進 | トレーサビリティ、フェアトレード、ジェンダー平等、環境保護プロジェクト等 |
| 技術資料の発行 | ホワイトペーパー、研究論文、トレーニングマテリアルの提供 |
■ 教育プログラム：Coffee Skills Program（CSP）
SCAの教育機関では、コーヒーに関する包括的なスキルと知識を6分野に体系化した国際認証制度を展開している。
- Introduction to Coffee（入門）
- Barista Skills（バリスタ技能）
- Brewing（抽出理論）
- Green Coffee（生豆と貿易）
- Sensory Skills（官能評価）
- Roasting（焙煎技術）
各分野は、Foundation（基礎）／Intermediate（中級）／Professional（上級）の3レベルで構成され、国際的に認定されたSCAインストラクターが指導する。
■ SCAによる「スペシャルティコーヒー」の定義
SCAは、スペシャルティコーヒーを「カッピングスコア80点以上の風味特性と欠点の少なさを備え、明確な生産履歴と持続可能性を持つコーヒー」と定義している。
この定義は、生産者、ロースター、バリスタ、消費者をつなぐ品質の共通言語として機能し、世界のコーヒー市場における「スペシャルティ」の信頼性を支えている。
■ 日本における展開
SCA認定の教育機関やインストラクターは日本国内にも多数存在し、CSP資格の取得者やSCAイベント参加者が年々増加している。また、日本スペシャルティコーヒー協会（SCAJ）はSCAと連携し、日本市場への理念普及と教育活動を展開中。
【関連語】スペシャルティコーヒー／カッピングスコア／CSP資格／Qグレーダー／持続可能性（サステナビリティ）
【類語】SCAA（旧米国協会）／SCAE（旧欧州協会）／CQI（コーヒー品質協会）
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