【浸漬法(しんしほう)】

英:Immersion method / 名詞

【定義】
コーヒーの抽出方法の一種で、コーヒー粉を一定時間お湯に浸し、成分を湯の中に均等に溶け出させる方式。抽出後に、粉と液体をフィルターなどで分離して飲用する。透過法(ドリップ式)と並ぶ代表的な抽出法であり、まろやかでコクのある味わいを得られるのが特徴。


▷ 抽出原理と特徴

  • 湯と粉が直接接触し、時間をかけて抽出することで、味が均質化されやすい
  • 操作が比較的簡単で、初心者にも安定した味わいが得られる
  • 一方、抽出時間や粉の粒度・撹拌の仕方によって、雑味や過抽出のリスクもある
  • 香味成分の溶解バランスが滑らかで、ボディ感が強調される傾向がある

▷ 代表的な浸漬法器具

器具名特徴
フレンチプレス粗挽きの粉を湯に浸し、金属フィルターで押し分ける。オイル分も抽出され、豊かなコク。
サイフォン水蒸気圧を利用し、粉と湯を接触させてからフィルターで抽出。芳醇な香りが特徴。
スイスゴールド/クレバーペーパーフィルターと浸漬法を組み合わせた器具。クリアさと浸漬のバランスが取れる。

▷ 透過法との比較

比較項目浸漬法透過法
湯と粉の接触一定時間「浸す」湯が粉を「通過する」
味の傾向丸み・深み・一体感明瞭・シャープ・レイヤー感
技術の要求操作はシンプル注湯技術が重要
雑味のリスク抽出時間が長すぎると出やすい注湯量や速度によって変化しやすい

▷ 用例

・「この豆はフレンチプレスで抽出すると、ボディ感が際立つ」
・「浸漬法は初心者にも安定して美味しいコーヒーが淹れられる」


▷ 関連語

→「透過法」|「フレンチプレス」|「抽出」|「サイフォン」|「ボディ」

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