【名詞】《喫茶店名|京都文化|昭和喫茶》
京都・寺町通に位置する老舗喫茶店。戦後の日本における都市型コーヒー文化の象徴的存在として知られる。
正式名称は「六曜社珈琲店(ろくようしゃ こーひーてん)」であり、1950年(昭和25年)創業。京都における「純喫茶」の文脈を継承しつつ、ドーナツとハンドドリップコーヒーの名店として全国のコーヒー愛好家や文化人に支持され続けている。
■ 店舗情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 京都府京都市中京区寺町通三条下ル(地下1階に喫茶、1階にカフェバー形式) |
| 創業 | 1950年(昭和25年) |
| 創業者 | 初代・井川榮一(いがわ・えいいち) |
| 営業形態 | 地下:純喫茶/1階:喫茶&バー(夜営業) |
| 名物 | 自家製ドーナツ、ネルドリップコーヒー |
| 建築様式 | 昭和レトロ調、木製什器とタイル床の落ち着いた内装 |
■ コーヒー文化への貢献
- ネルドリップ抽出を創業当初から一貫して守り続けており、抽出技術と豆の品質に強いこだわりを持つ。
- 豆の焙煎は自家焙煎または信頼する焙煎士との協業により行われており、中深煎りを中心とした落ち着いた味わいが特徴。
- カウンター越しに提供される様子や、磨かれたステンレスポットの湯気など、「喫茶の所作」自体が文化体験とされる。
■ 芸術・文化との関係
- 店内ではジャズやクラシックが静かに流れ、文化人・学生・詩人・編集者などが集う「知の社交場」として機能してきた。
- 作家・吉田篤弘や詩人・谷川俊太郎など、六曜社に影響を受けた表現者も多い。
- 夜はバー形式に変わり、照明を落とした空間でアルコールと音楽を楽しむ大人の喫茶空間となる。
■ 現代における意義
- 観光地・京都の中心にありながら、時間の流れが止まったような「静の場」として国内外のファンを持つ。
- 近年の第三波コーヒーの影響を受けながらも、あえて流行を追わない「京都喫茶道」の精神を体現している存在。
- 純喫茶ブームやレトロカルチャー再評価の中で、六曜社はその代表格とされる。
【関連語】純喫茶/ネルドリップ/京都喫茶文化/老舗珈琲店/昭和レトロ/ドーナツ
【類語】イノダコーヒ/フランソア喫茶室/築地「和蘭豆」/銀座カフェーパウリスタ
【分類】喫茶店/名店紹介/日本のコーヒー文化拠点


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