【名詞】《認定制度|資格試験|日本独自制度》
日本国内で実施されている、コーヒーに関する知識・技術・文化理解を問う検定試験の総称。
一般に「コーヒー検定」とは、特定の団体が主催する資格試験や技能検定を指し、コーヒー愛好者から業界従事者まで幅広く受験対象とされる。
2020年代以降、コーヒー文化の広がりにより、基礎教養から実務スキルまでを網羅した複数の検定・認定制度が登場している。
■ 主なコーヒー検定制度(日本)
| 名称 | 主催団体 | 概要 |
|---|---|---|
| コーヒーインストラクター検定 | 全日本コーヒー商工組合連合会(JCQA) | 国内で最も認知度の高い検定。3級〜1級+鑑定士の4段階。流通・抽出・品質管理などを総合的に学ぶ。 |
| J.C.Q.A.認定 コーヒー鑑定士 | 同上 | インストラクター1級合格者を対象とした上級実技認定。豆の選別、カッピング評価など専門技能が求められる。 |
| UCCコーヒーアカデミー検定 | UCCホールディングス | 民間資格。実践的な抽出・焙煎・テイスティングに特化。ベーシック〜プロフェッショナルまで段階あり。 |
| スペシャルティコーヒー資格制度(SCAJ) | 日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ) | 国際基準に準拠した内容。バリスタ、ブリューイング、グリーンコーヒーなど分野別に講習+試験を実施。 |
| 日本コーヒー文化学会認定試験 | 日本コーヒー文化学会 | コーヒー史、文化、倫理など学術的視点からの検定。教育機関向けにも展開。 |
■ コーヒーインストラクター検定(JCQA)概要
- 3級:コーヒーの基礎知識(歴史・豆の種類・淹れ方)を学ぶ入門者向け。
- 2級:豆の品質、焙煎度、抽出理論、テイスティングの初歩など。筆記+実技試験あり。
- 1級:焙煎プロファイル、欠点豆の識別、ブレンド設計など高度な専門知識を要する。
- 鑑定士:1級合格者を対象に、実務経験と高度な鑑定能力を測るエキスパート資格。
■ 検定の目的と意義
- コーヒー業界の人材育成・標準化・品質向上を目指す制度として、各検定は体系的に設計されている。
- 一般の受験者にとっては、自らの知識や技術の可視化、キャリアアップ、趣味の深化につながる。
- 特に近年は、スペシャルティコーヒーの普及やサステナビリティへの意識の高まりとともに、検定内容も進化しつつある。
■ 国際的な認定制度との関係
一部の国内検定(例:SCAJ資格)は、SCA(Specialty Coffee Association)の国際認定制度(CSPなど)と連動している。
そのため、国内検定を経て国際資格へ進むルートが存在し、プロフェッショナルバリスタやロースターにとって重要なステップとなる。
【関連語】コーヒーインストラクター/鑑定士/SCAJ/UCCアカデミー/CSP/バリスタ技能/コーヒー講習
【類語】認定資格/抽出技術検定/食品検定/技能士試験


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