フラットビーン(ふらっとびーん)

【名詞】《豆形状|生豆分類|双子種子》

コーヒー果実内に一般的に形成される、2粒1対の平らな種子のこと。
対義語はピーベリー(Peaberry/丸豆)。
フラットビーンは通常のコーヒー豆のほとんどを占めており、両面がやや平らで、中央に縦の割れ目(センターカット)がある形状が特徴。


■ 形成の仕組み

  • コーヒーチェリー(果実)1粒には、通常2つの種子が向かい合うように形成される。
  • 成長の過程で互いに圧迫し合うため、両面が平らになり、「フラットビーン」と呼ばれる。
  • 一般に出回っているコーヒー豆の 約95%がこの形状 であり、標準的な焙煎・抽出プロファイルに最も適しているとされる。

■ 特徴

項目内容
外観形状平らな楕円形。中央に明瞭な割れ目(センターカット)がある
成長由来コーヒー果実内で2粒の種子が同時に形成・圧迫されることで平らになる
焙煎特性熱が均一に入りやすく、焙煎のコントロールが比較的しやすい
味の傾向品種や精製方法に準ずる。ピーベリーと比べて風味が穏やかでバランスが取れている

■ ピーベリーとの違い

分類フラットビーン(Flat Bean)ピーベリー(Peaberry)
種子の数2粒(通常形態)1粒(突然変異)
形状平らで割れ目がある丸く小さく、割れ目がない
発生割合約95%約5%
焙煎特性熱が均等に入りやすい熱が入りにくく、焙煎時に個別管理が必要
味わい傾向標準的でバランス重視個性的でフレーバーが濃縮されやすい

■ 焙煎・選別時の扱い

  • フラットビーンとピーベリーは、サイズや形状の違いから焙煎時の熱伝導に差が生じるため、通常は選別されてロットが分けられる。
  • ハンドピックやスクリーン選別(ふるい分け)によって分類されることが多い。
  • フラットビーンのみで構成されたロットは、安定した焙煎・抽出を求めるロースターに好まれる。

■ 呼称と表記

  • 英語表記では「Flat Bean」または単に「Flat」と記載されることが多い。
  • 日本では「平豆(ひらまめ)」とも表現されるが、専門用語としては「フラットビーン」が一般的。

【関連語】ピーベリー/生豆形状/センターカット/ハンドピック/ローストプロファイル
【類語】平豆/標準豆
【分類】生豆構造/物理的分類/ロースト前処理

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