【名詞】《液体抽出飲料|業務用製品|即飲型》
抽出済みのコーヒー液を容器に密封・保存した製品の総称。
「液体コーヒー」「ボトルコーヒー」「パックコーヒー」などとも呼ばれ、一般消費用・業務用・原料用など幅広い形態で流通している。
コーヒー豆を抽出し、常温または低温で保存可能な状態に加工した「完成された飲用形態」であり、近年のRTD市場(Ready to Drink)拡大に伴い急速に多様化している。
■ 製法
リキッドコーヒーは、以下の工程で製造される。
- 焙煎・粉砕:原料豆を中深煎り〜深煎りにし、粗めに挽く
- 抽出:大量のコーヒー粉をドリップ、サイフォン、または水出し・浸漬方式で抽出
- 濾過・殺菌:コーヒー液をろ過後、加熱殺菌または無菌充填
- 充填・密封:紙パック、PETボトル、バッグインボックスなどに詰めて密封
※業務用製品では、コールドブリューや濃縮タイプ、無菌長期保存仕様など多様なバリエーションが存在する。
■ 特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 即飲性 | 開封するだけでそのまま飲用可能(加温・加水も自由) |
| 保存性 | 常温保存可(長期の場合は無菌充填)、開封後は冷蔵推奨 |
| 安定性 | 毎回の抽出差がなく、味のバラつきが少ない |
| コスト効率 | 業務用では1杯あたりの単価を抑えられ、大量提供が容易 |
■ 市場での利用例
| 分野 | 使用形態 |
|---|---|
| 一般家庭 | コンビニやスーパーで販売されるアイスコーヒー飲料(PET・紙パック) |
| カフェ・飲食 | 店舗内提供用のアイスコーヒーやカフェオレの原液 |
| 業務・産業 | 飲料サーバー、給食、レトルト食品の調味液など |
| 原料供給 | カフェベース(濃縮液)として、ソフトクリームや菓子への加工用 |
■ 歴史と展開
- 日本では1960年代に初の紙パック入りリキッドコーヒーが登場し、喫茶店・家庭用市場で徐々に浸透。
- 1980年代以降、缶コーヒーの普及とともに「リキッド=低価格大量供給」のイメージが強まったが、
近年はスペシャルティコーヒーやコールドブリューに対応した高品質リキッド製品が急増。 - 海外ではRTD(Ready To Drink)市場の成長により、チルドタイプ・微炭酸入り・機能性成分添加型などの派生製品も登場している。
■ 注意点
- 一部製品では、抽出後に酸化や劣化が進行しやすいため、保存管理が重要
- 添加物(甘味料・香料)入りの製品も多く、「ブラック・無糖・無添加」の表示に注意する必要がある
- スペシャルティコーヒーにおいては、豆の個性が反映されにくいため、用途に応じた選別が必要
【関連語】液体コーヒー/RTD飲料/コールドブリュー/ボトルコーヒー/業務用コーヒー原液
【類語】アイスコーヒー飲料/カフェベース/濃縮抽出液
【分類】抽出形態/加工食品/即飲飲料/業務用資材


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